こども日経ブログ

日経の最新の記事の中から、こどもにも考えてもらいたいテーマを選び、ねこ先生に解説してもらうブログです。

小中学校の教科書のデジタル化について

3月29日(月)朝刊2面

教科書、デジタル対応加速  24年度向け検定、小学校用全149点にQR

www.nikkei.com

にゃん太:「この見出しの意味は分かったよ。今後、教科書のデジタル化が進む、という記事だね。紙の教科書は重いから、持ち歩かなくて済むなら便利だなあ」

ねこ先生:「そうだね。他にも、教科書のデジタル化には、様々なメリットがあるんだ。例えば、音声の読み上げや文字の拡大などの機能により、視覚などの障害がある生徒の学習を支援することができる。また、検索機能の活用や、動画・アニメーション、ドリル・ワーク、参考資料などと連動させることで、主体的な学びを促し、学習効率を上げることができるのではないかと期待されているよ」

 

にゃん太:「それはいいね!デジタルの教科書は、いつから利用できるようになるの?」

ねこ先生:「学習端末で使うデジタル教科書は、2024年4月から小中学校の英語に、2025年4月から算数・数学に、順次導入される予定だよ。当面は、紙とデジタルの教科書を併用することになるみたい。小学校の紙の教科書には、全てQRコードが掲載され、デジタルの教材と連動しやすくなるんだって」

 

にゃん太:「英語の発音が聞けるようになったり、難しい図形の問題も理解しやすくなったりしそうだなあ。早く使いたいよ!」

ねこ先生:「そうなんだけど、デジタル教科書の導入には、いくつか課題もあるんだ。例えば、2022年の文部省調査では、学習端末を『ほぼ毎日使う』と答えた小学校の割合が、東京都などで7割を超えた一方、2割台しかない地域もあった。デジタル教材に関する教員の習熟度を高める必要もあるね」

 

にゃん太:「現状として、デジタル教材の利用状況には、地域差があるんだね」

ねこ先生:「通信環境の整備という課題もある。文部省の実証事業では、教員の半数が、デジタル教科書の不便な点として、『フリーズやエラー表示への対処が必要』と指摘したんだ。今後、複雑な機能が増えれば、通信環境の負荷が大きくなり、トラブルが発生する恐れも高まる。」

 

にゃん太:「すぐにフリーズしたりエラーが出たりするのでは、学習に支障が出そうで、嫌だなあ。」

ねこ先生:「その他、法整備が追いついていないという課題もある。現在、小中学校で使う教科書は無償配布され、副教材や補助教材の費用は保護者(親など)が負担するのが原則なんだ。

学校教育法は教科書を『図書』と定めているので、現状では、デジタル教材のうち無償配布の対象は紙と同じ内容に限られる。動画やアニメーションの多くは補助教材の位置づけで、教科書会社が紙と一体のサービスとして提供しているんだけど、デジタルでは、どこまでが無償配布の教科書で、どこからが補助教材の扱いになるのか、分かりにくいよね」

 

にゃん太:「色んな課題があるみたいだけど、デジタル教材はとても便利なので、早く使えるようになって欲しいなあ!